2008年04月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

My Photos

www.flickr.com
This is a Flickr badge showing public photos from suganogasu. Make your own badge here.

最近のコメント

« ファームウェアアップデート中に電源落とす | メイン | Mac Book Proに移行 »

『それでもボクはやってない』

『それでもボクはやってない』 周防正行監督


面白かったです。
BGM一切なしで、最後まで緊張感途切れることなく2時間半という長さずっと熱中してしまった。

この映画を見る前は、痴漢冤罪に間違われたらどうやって対処すれば良いか、などと笑って法律ジョークみたいな話をしてましたが、ルール(法律)があれば世が治まるわけでは無い現実、人が人を裁くということの難しさと淡白さを強く実感しました。以下、ネタばれっぽいのありなので、気をつけてください。

それにしても、劇中で第三者的な傍聴人の台詞は少しショックではあった。

「刑事事件で裁判官が無罪判決を下すのは、検察・警察に対して背くこと。これは、国家を敵に回すことと同じ。どんな裁判官でも組織の中の人。出世や保身を考えると無罪判決を下すのには相当な勇気がいる。」

司法試験に受かった人は、裁判官か弁護士か検察官のいずれかの道に進むわけで、その割合は圧倒的に弁護士が多いと聞きます。金銭的報酬を考えれば当然だと思うし、精神的プレッシャーは裁判官のそれは一番大きいだろうと思います。きっと裁判官の道を選ぶ人は、相当高い問題意識・社会正義感を持っているのだろうと思う。この映画の中では、かなり裁判官・検察官が悪者的に描かれているのでその部分が見えないのは気の毒だと思う。死刑判決を出した裁判官は、その夜寝られないらしい、という側面もある。

しかし、これだけは言えるのは、裁判官自身の利害関係と判決は絶対的に無縁であるべきだということ。他のシーンで描写されてた、ずさんな取調べや検察側の証拠隠しに関しても確かにいけない事だとは思うけど、やっぱ裁判官の判決に、裁判官自身の出世や異動などの外的要因が加わる可能性があるのが一番問題だと感じた。劇中で、無罪判決を2回連続した裁判官が異動になるというシーンがあったが、これは事実であるとしたらさすがにまずいだろ。もちろん、判決と異動人事の関係は明確にはされていないけど。

アメリカのように陪審員ではなく、裁判官が判決を下す日本はここが絶対に守られるべきではないだろうか。どうやら、この映画、ニューヨークでこの試写を行ったら、かなり笑い声が多かったらしい。
そんなに笑える映画なのかと思ってみたら、ぜんぜん笑えない。緊張に次ぐ緊張。
たぶん、アメリカ人からしてみると裁判官や検察官の言動が非常識に見えて笑っていたのではないだろうか。

話もどって、作り方としては、やっぱ秀逸。ちょっと再現VTRのようなダサくて冷たい感じの絵作りもリアリティを生んでる。さすが周防監督。
ドキュメンタリー出身の監督は社会的問題意識はあるけども、全員が表現力に富んでるわけじゃないと思う。その点、劇映画で一度トップを獲ってる人が問題意識を持って描くと、その伝わり方は半端無いなー、と思った。その点は、井筒監督の『パッチギ』も良いよね。

関係ないけど、アメリカでは満員電車で痴漢とか無いだろうし(?)、裁判制度も違うから『Shall We Dance?』みたいにハリウッドリメイクはまずないだろうけども、もしリメイクされるなら、主演はぜひティム・ロビンスにやって貰いたい。
『ショーシャンクの空に』、『ミスティック・リバー』でティム・ロビンス=冤罪というイメージがかなり刷り込まれています。加瀬亮と違って、毎回やってそうでやってないという役どころなのが難だとは思うが。

映画評とか、実はあまりしないのだが、なんか書いてしまった。
相当、面白かったのかな。


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.sugamemo.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/675

この一覧は、次のエントリーを参照しています: 『それでもボクはやってない』:

» それでもボクはやってない 送信元 欧風
20日の週末から公開の映画があったので、いつもながらの、「イオン下田TOHOシネタウン」で、映画鑑賞ですよ。 今回観たのが「それでもボクはや [詳しくはこちら]

» 「それでもボクはやってない」試写会レビュー 運命 送信元 長江将史〜てれすどん2号 まだ見ぬ未来へ
すごいリアルに作りこまれた映画やとは思うけど、やっぱり邦画バブルの中ではその魅力はだいぶ、、、。 [詳しくはこちら]

コメント (2)

takuya:

見ました。とても細部まで忠実に再現された良い映画だと感じました。「不見当」の下りとか知らないこともあって面白かった。

「裁判官自身の利害関係と判決は絶対的に無縁であるべき」とのこと。確かにもっともだと思います。事実、変な判決を書くと左遷されるというのはよく耳にします。

けれども、法律の世界では、「判例(かつて同種の事案で最高裁判所の下した考え方)」という法曹実務家なら誰もが従う一定の考え方・相場があります。日本の裁判制度が三審制を採用している建前上、地裁の裁判官が自分の個人的な正義感・信念に従って無罪判決を下したところで、結局高裁にいけばひっくり返しで有罪判決がでることはほぼ間違いありません。そのような場合に一体一番誰が迷惑を被るのか?というと、紛れもなく被告人・被疑者が迷惑を被ることになります。(この映画の中では、冤罪被害者支援をしてくれたサラリーマンが、まさに高裁で有罪判決を下されていたと思います。)

つまり、裁判官が「無罪判決」を下す要因は、決して自分の立身出世のみにあるのではなく、むしろ自分の信念に貫いて無罪判決を下すことがときに「当事者」にとって迷惑になる場合があることは頭の片隅に残しておく必要があることだと思います。

映画の中で最初に接見した弁護士が「認めて罰金を払えれば明日から普通の生活に戻れる」との台詞があったけれども、弁護や被害者にもそれぞれそれなりの「事情」があります。

当事者の利害関係が真っ正面から衝突する中、当事者(裁判官、検察、弁護士・被害者)がそれぞれの「事情」を理由に現実的な着地点を目指して利益調整している姿が刑事訴訟の現実なのかなぁとの感想を持ちました。

suga:

↑現役ロースクール生が答えてくれました。長っw

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)




About

2007年01月29日 00:59に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「ファームウェアアップデート中に電源落とす」です。

次の投稿は「Mac Book Proに移行」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

About 『それでもボクはやってない』

ブログ「すがメモ/SUGAMEMO」のカテゴリ「『それでもボクはやってない』」に投稿されたすべてのエントリーのアーカイブのページです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のカテゴリはAzです。

次のカテゴリはFlashです。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Creative Commons License
このブログは、次のライセンスで保護されています。 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス.